分譲マンション

建築経済学の分野には、建物の寿命推計に関する研究成果があり、それによると、鉄筋コンクリート造り共同住宅は、築後三五年で約八○%、築後六○年で約三八%の残存率が推定されている。ただし、この推計は賃貸住戸も含まれ、かつ対象となった建物は築後三六年ものまでを主体にしており、分譲マンションにそのまま適用できるとはいいきれない。以上の状況からすると、現状ではマンションの寿命を推定するのはきわめてむずかしいことがわかる。いいかえれば、一九六○年代に分譲されたマンションの今後が、マンションの命運を実証していくということになろう。その場合?建物の構造躯体である鉄筋コンクリートの劣卵化状態が、マンションの寿命に大きくかかわっていくだろうことは、容易に推定できる。本妻目ではマンションのコンクリート劣化についてたびたび触れたが、ここでもう一度、建物の寿命という点から建物の劣化現象を振り返ってみる。鉄筋コンクリートの二大劣化現象の一つであるコンクリート内の鉄筋のさびは、コンクリートが表層よりしだいに中性化していくことから引きおこされるもので、中性化深さは建物の耐用年数を算出する重要な要素として考えられている。ちなみに、一説では、前述の法定耐用年数はコンクリートの中性化がコンクリート内部の主要鉄筋に達する年限とする説もある。

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